TECC受講者も愛読!相原先生の楽しく学べる中国語

どうちがう?中国語 類義語弁別

使い分けや意味の違いがうまく説明できない中国語の類義語を、中国語教育の専門家 たちが例文を駆使しながら明解に解説する、相原茂先生監修のコラムです!

第3回

01

“核儿”hér/húr、“种子”zhǒngzi、“子儿”zǐr (李 蕾)

【相原茂先生:監修】

“核儿”、“种子”、“子儿”はいずれも「種」と訳されるが、“核儿”は果実の中にある、硬い殻を持つ種を指し、“种子”は「発芽のもととなる種」である。言葉として“苹果核儿”、“苹果种子”、“苹果子儿(籽儿)”はどれも言えるが、着目点が異なるので、具体的な用例中では原則として言い換えることはできない。  『現代漢語詞典』(第5版)では“核儿”について“核果中心的坚硬部分,里面有果仁。” Héguǒ zhōngxīn de jiānyìng bùfen,lǐmian yǒu guǒrén.という。つまり「多肉果の中心にある固い部分,中にさねがある」ということで,あくまで「果実の中心にあるもの」で,だからこそ「中核」をなすという意味の“核儿”と言うのである。用例も果実全体とその芯という関係に基づくものが多い。

(1)办公室里的各种垃圾,什么苹果核儿、吃剩的三明治等等,带来了环境污染。
Bàngōngshìlǐ de gèzhǒng lājī,shénme píngguǒhúr、chīshèng de sānmíngzhì děngděng,dàilái le huánjìng wūrǎn.
(オフィスの中のさまざまなゴミ、リンゴの芯やら、食べ残したサンドイッチやらが,環境汚染を引き起こしている)

(2)把去除核儿的大枣放在水里煮一煮。
Bǎ qùchú húr de dàzǎo fàngzai shuǐli zhǔyìzhǔ.
(種を取り除いたナツメを水に入れて少々煮る)
他に“梨核儿”lí húr(梨の種)、 “橘子核儿”júzi húr (ミカンの種)、“桃核儿”táo húr (桃の種)、“杏核儿”xìng húr (杏の種)、“樱桃核儿”yīngtao húr(サクランボの種)、“葡萄核儿”pútao húr(葡萄の種)などの例がある。何れも口語では“húr”と発音するのが普通である。 “核儿”(果物の種)は常識的には食用せず捨てるものであるのに対し、“种子”は種子であり、「発芽のもととなるもの」で、「一定の休眠期間後発芽して新個体となる」という価値を有するものであることに着目する。もはや全体の一部ではなく,それのみで有用な独立体である。
(3)买点儿好的苹果种子,回去自己育苗,卖果树种苗更能赚钱呢。
Mǎi diǎnr hǎo de píngguǒ zhǒngzi,huíqu zìjǐ yù miáo,mài guǒshù zhǒngmiáo gèng néng zhuàn qián ne.
(良質なリンゴの種を仕入れ、苗を育てます。果樹の苗を販売した方がより儲けが多い)

(4)它的根往土壤钻,它的芽往地面挺,一粒种子的力量如此之大。
Tā de gēn wǎng tǔrǎng zuān,tā de yá wǎng dìmiàn tǐng,yílì zhǒngzi de lìliang rúcǐ zhī dà.
(根を土の中に深く張り、芽を精一杯地上に出す。一粒の種の力は、これだけ大きい)
“子儿”はつまり“种子”ですが、使われ方は“种子”と異なる。例えば“瓜子儿”guāzǐr、日本ではあまり馴染みはないが、西瓜やカボチャ,ひまわりなどの種を指す。“葵花子儿”kuíhuā zǐr(ひまわりの種)、“白瓜子儿”báiguā zǐr(カボチャの種),“西瓜子儿”(スイカの種)という言い方もあり、これぞ「とまらない、やめられない」中国スナック。中国では一番庶民的なおやつと言っても過言ではなかろう。硬い殻“瓜子儿皮儿”guāzǐr pírは食べないが、片手で取って、歯で上手にかじって(“嗑”kè)、中の実“瓜子儿仁儿” guāzǐr rénrを食べる。食べ過ぎて“上火”shànghuǒ(口内炎)にはご用心! “子儿”は単独で使われることが少なく,「卵」という意味の“鱼子”yúzǐ、“鸡子儿”jīzǐrや、「堅くて小粒なもの」をあらわす“棋子儿”qízǐr (碁石)、“石头子儿”shítouzǐr (石ころ)などのように、半ば形態素のようなものだ。 さらに“子儿”は“籽”と表記することもあり、以下のように使われる。
(5)他指导村民种无籽西瓜,每亩西瓜可收入3000多元。
Tā zhǐdǎo cūnmín zhòng wúzǐ xīguā,měi mǔ xīguā kě shōurù sānqiān duō yuán.
(彼は農民に種無し西瓜の栽培方法を教え、西瓜1ムーあたりの所得が3千元を超した。)

(6)催熟的西红柿往往无籽或籽呈绿色,自然成熟的西红柿籽呈土黄色。
Cuīshú de xīhóngshì wǎngwǎng wúzǐ huò zǐ chéng lǜsè,zìrán chéngshú de xīhóngshì zǐ chéng tǔhuángsè.
(成熟を早めたトマトは種がないか種が緑色に呈するに対し、自然に実ったトマトの種は黄色っぽい色だ。)
他に胡瓜、苦瓜、ピーマン、唐辛子の種のように、殻が固くない、やや小さい種を “黄瓜籽儿/子儿”huángguā zǐr、“苦瓜籽儿/子儿”kǔguā zǐr、“青椒籽儿/子儿”qīngjiāo zǐr、“辣椒籽儿/子儿”làjiāo zǐrと言う。

(執筆:李 蕾)

相原先生

相原先生プロフィール

東京教育大学修士課程修了。1980~82年、北京にて研修。中国語学、中国語教育専攻。明治大学助教授、お茶の水女子大学教授等を経て、現在中国語教育の第一人者として著述やマスメディアで活躍中。NHKのラジオ、テレビでも長年、中国語講座を担当。TECC中国語コミュニケーション協会代表。

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