TECC受講者も愛読!相原先生の楽しく学べる中国語

どうちがう?中国語 類義語弁別

使い分けや意味の違いがうまく説明できない中国語の類義語を、中国語教育の専門家 たちが例文を駆使しながら明解に解説する、相原茂先生監修のコラムです!

第12回

01

“卷”juǎn “裹”guǒ “包”bāo “缠”chán (单 娜)

【相原茂先生:監修】

いずれも「巻く」という動作を示す動詞である。

(1){卷/裹/包/缠}东西。
{Juǎn/ guǒ/ bāo/ chán} dōngxi。
(ものを巻く。)

(2)他头上{卷/裹/包/缠}着毛巾。
Tā tóu shàng{ juǎn/ guǒ/ bāo/ chán}zhe máojīn。
(彼は頭にタオルを巻いている。)
例(1)に示されるような巻く道具や対象が不確定な場合や、例(2)のような“毛巾”(タオル)など、布や紙類が巻く道具になる場合は、“卷”“裹”“包”“缠”のいずれも使うことができるが、現れるニュアンスが異なる。

“卷”は、一方の端が内側になるようにぐるぐる丸める、それ自体を回らせるという意味を表すことができる。「端をまいて上げる」という意味があり、この場合は日本語の「まくる」という意味に相当し、巻く道具・対象そのものを巻き上げる場合、“卷”は使えるが、“裹”“包”“缠”は使えない。
(3)医生一蹲到小女孩身边,就立刻把她右手的袖子{卷/×裹/×包/×缠}起来,涂上了消毒液。
Yīshēng yī dūn dào xiǎonǚhái shēnbian, jiù lìkè bǎ tā yòushǒu de xiùzi {juǎn} qǐlái, túshàngle xiāodúyè。
(お医者さんは女の子のそばにかがむと、彼女の右腕の袖をまくり上げ、手早く消毒ガーゼで拭いた。)

(4)我把毕业证书{卷/△裹/△包/△缠}好放进了筒里。
Wǒ bǎ bìyè zhèngshū{juǎn /△guǒ /△bāo /△chán} hǎo fàngjìn le tǒng lǐ。
(卒業証書を巻いて筒に入れた。)
例(4)の場合は、“裹”“包”“缠”なども使えなくはないが、「卒業証書そのものをくるくる巻く」という意味を忠実に表しているのは“卷”しかない。“裹”“包”“缠”を用いた場合は、「卒業証書を紙や糸など、何かほかのもので巻いてから筒に入れた」という意味になる。

また、紙などが反り返る場合も、対象自身が丸くなるということから、“卷”しか用いられず、“裹”“包”“缠”は使えない。
(5)照片被太阳晒得{卷/×裹/×包/×缠}了起来。
Zhào piàn bèi tài yang shài de {juǎn} le qǐlái。
(写真が日に当たって反り返った。)
“裹”と“包”は、「中に入れる」「くるむ」という共通項を含意し、置き換えられることが多い。しかし、“包”は「全体を覆う」という性質も有し、巻く対象が完全に見えないようにすることに重点が置かれる。例えば次の例(6)のようなケースでは、餃子の具の全体を皮の中に入れこむため“包”しか用いられない。例(7)も同様の理由で、お菓子を丸ごと包みこむため、“包”しか使えない。
(6)我这是第一次{包/×卷/×裹/×缠}饺子。
Wǒ zhè shì dì-yī cì{ bāo} jiǎozi。 (餃子を包むのは、今回が初めてだ。)

(7)点心{包/×卷/×裹/×缠}小一点儿拿着方便。
Diǎnxīn{ bāo} xiǎo yìdiǎnr ná zhe fāngbiàn。
(お菓子を包むには少し小さく包むと持つのに便利だ。)
“裹”は服などを体にはおる、かけるという意味で使う場合がある。例(8)と例(9)では、“裹”を使うことによって、動作の対象(体、子ども)を守るようにくるむというニュアンスが現れる。
(8)她身上{裹/×卷/×包/×缠}着大衣。
Tā shēnshàng{ guǒ} zhe dàyī。
(彼女はオーバーで体をくるんでいる。)

(9)怎么又给孩子{裹/×卷/×包/×缠}上斗篷了。
Zěnme yòu gěi háizi{ guǒ} shàng dǒupeng le。
(どうしてまた子どもにマントを着せたのだ。)
“缠”は「くるくると巻きつける」という意味で使われることが多く、巻く道具も糸や針金、電線などのような類のものが一般的である。
(10)托运家具要{缠/△卷/×裹/×包}草绳。
Tuōyùn jiājù yào{chán /△juǎn} cǎoshéng。
(家具を運送するためには縄でくくらなければならない。)

(11)用铁丝{缠/△卷/×裹/×包}了几道。
Yòng tiěsī {chán /△juǎn} le jǐ dào。
(針金で幾重にも巻き付ける。)
(10)と(11)では、“卷”も使えるが、その場合は「巻く」という動作より、道具(ここでは縄や針金)の形の変化に重点が置かれる。それに対し、“缠”のほうが何を使って巻き付けるのかという、道具そのものに関心があることが示されている。

(執筆:单 娜)

相原先生

相原先生プロフィール

東京教育大学修士課程修了。1980~82年、北京にて研修。中国語学、中国語教育専攻。明治大学助教授、お茶の水女子大学教授等を経て、現在中国語教育の第一人者として著述やマスメディアで活躍中。NHKのラジオ、テレビでも長年、中国語講座を担当。TECC中国語コミュニケーション協会代表。

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